事業企画を社内の人に見てもらっていたら具体的なペルソナを描いて考えてみなさいと言われました。ペルソナってゲームか何かでしか聞いた事ないのですが、何の事なのでしょうか?
ペルソナ(persona)とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。事業企画においてはユーザーという当事者の立場に立って、当事者目線でその課題やニーズを考える事が大切です。この当事者の立場に立つためにペルソナを活用します。ペルソナの作り方を中心に見ていきましょう。
ペルソナ(persona)とは?
まずはペルソナ(persona)の定義について確認をしておきましょう。
ペルソナ(persona)とはラテン語で「仮面」を意味する言葉です。マーケティングや心理学の世界で使われていた言葉ですね。表の顔と裏の顔などを分析する際などでペルソナ(persona)という言葉を使った記憶があります。
事業企画を考える際、大きな市場や顧客増を描きがちですが、検討している製品、ないしはサービスを実際に利用する一人の人物の視点で検討をする事が大切です。
一人の人物に焦点をあてる事で得られるメリットについては以下が挙げられます。
- プロジェクトのすべてのプロセスにおいて、誰のために開発しているのかが明確になる
- 調査データの捉え方が、人によって異なる解釈や結論になってしまうという事がなくなる
- 決断が必要なプロジェクトのすべての局面で、顧客が何を求めるのかイメージが共有できる
- 初期段階の大きな意思決定をサポートするので、やり直しや修正といった時間の無駄が減る
- 顧客の深い理解に基づいて作られるので、プロジェクトを人間中心のイノベーションへと導く
ペルソナ(persona)の作り方 ペルソナのライフサイクル
ペルソナを作る際には、ペルソナの開発から再利用・廃棄するまでのライフサイクルの全体像を理解する事が大切です。
ペルソナのライフサイクルは以下の5つのステップで構成されます。
- ステップ1ペルソナの開発と検証
開発プロセスは「データの収集」「要素(ファクトイド)の確定」「スケルトン(骨格)の作成」「ペルソナの作成」「ペルソナの検証」という5つの工程と、それぞれの工程下に定義される11工程で構成されます。
- ステップ2ペルソナの公開
ペルソナを公開する目的は、ペルソナをステークホルダーに浸透させる事にある。製品やサービスに係るすべての人に公開する。
- ステップ3ペルソナの利用・維持
ステークホルダー間における認識のずれを防ぐ要になるのが、ペルソナの活用・維持のステップです。
ペルソナを意識することによって、サービス開発の全プロセスで同じ顧客層を対象として考えることができます。 - ステップ4ペルソナの評価
ペルソナに要した費用と利益をROIを算出し、評価する。
ペルソナの有効性はアンケートで評価します。 - ステップ5ペルソナの再利用・廃棄
対象製品、サービスのために作成されたペルソナはサービスや製品の終了によって役割を終えます。別のサービスや製品を開発する際に同じペルソナが利用される事もあります。
ペルソナ(persona)の作り方 標準的な作り方
ペルソナの開発については以下の流れで行います。
データの収集
データの収集
データには定量データと定性データがあります。
定量データ
調査対象の量的な面の検討に用いる。
様々な統計データやオープンデータなどを収集し、それらを分析して対象者の概要を絞り込みます。
定性データ
質的な面の検討に用いる。
対象者へのインタビューや映像など。定性データを分析する事で対象者の属性がさらに詳細化できます。
顧客の生の声を収集する事は非常に重要ですが、足を使っての収集には多くの労力と時間がかかります。ターゲットに近いパネルを集め、アンケートを投げ込む事で労力と時間を節約する手段がありますので、私はよく以下のサービスを利用させていただいています。
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対象者セグメントの決定
データの収集で浮かび上がった要素や属性の取捨選択を行い、対象セグメントの分離統合を行う。
例えばAは標準的な核家族のセグメント、Bは富裕層の子どものいない共働き夫婦など、製品やサービスのゴールを見据えて絞り込みを行います。
要素(ファクトイド)の確定
要素の抽出
定性データからペルソナの各属性を構成する要素(ファクトイドと呼びます)を抽出します。ファクトイドとは「擬似事実」という意味ですが、ペルソナは擬似的な人物を作成するという事ですので、その人物を構成するものも「擬似属性」という事になります。
対象者の属性としては年齢、性別、収入、嗜好性、ライフスタイルなどがあります。
嗜好性、ライフスタイルは定量データからは収集が難しいため、インタビューなどの定性データを参考にします。
要素のグループ化
年齢や性別などは一つ一つの要素として独立性がありますが、嗜好性やライフスタイル(例えば、音楽好き、映画好きなど)については似ているもの同士を統合するなどして整理を行います。
要素グループのラベリング
要素グループに固有のラベルを付けます。上記の例でいうと「音楽好き」と「映画好き」については、「芸術的な趣味を持つ」というラベルで括ってもよいでしょうね。
スケルトンの作成
スケルトンの作成
ペルソナにおけるスケルトンとは、製品・サービスと関係深いと考えられる属性の重要な要素のセットです。ちょっとわかりにくい表現をしてしまいましたが、要は一人の人物の主要な要素を箇条書きで列挙したまとまりですね。
スケルトンの評価と優先順位付け
スケルトンをステークホルダーに開示し、フィードバックをもらいます。後々ストーリー付けして採用するペルソナのスケルトンを選抜するというフェーズですね。
ペルソナの種類が多すぎるとせっかくのペルソナが薄れてしまうので、ここでは優先順位の高い順から3~5つほどのスケルトンに絞り込みます。
ペルソナの作成
要素を元にしたストーリー展開
スケルトンの段階では箇条書きで要素が表現されている段階ですので、文章化をします。
ペルソナの完成
一枚のペルソナとして完成させます。
完成イメージは以下のような感じです。
ペルソナの検証
ペルソナの検証
ペルソナが完成したら、ペルソナの確認の検証を行います。以下に3つの観点を書いておきます。
- データが反映されているかの確認
ペルソナの確認でもっとも重要なことは、作成したペルソナが元データを反映していることの検証です。
ペルソナが元データから乖離しているとそのペルソナを対象としても対象者セグメントに適さない製品になってしまいます。 - 対象者セグメントとの同一性の確認
ペルソナが対象者を正確に表していることを確認するために、製品やサービスの実際の対象者に接している人に見てもらう事が大切です。 - データが充分であることの確認
ペルソナが対象者雪面との元データを利用していても、製品やサービスの実際の対象者に接している人に見てもらうと、齟齬が生じる事もあります。そのような場合は、新たにデータを追加してブラッシュアップを行います。
ペルソナ・ストーリーの展開
ペルソナを普及させるためにポスターなどのノベルティを作成してプロモーションします。
ペルソナ(persona)の作り方 作成時の注意点
ペルソナは顧客の立場に立って、というよりはなりきって練りに練って作成をする必要があります。以下は代表的な質のよくないペルソナの例です。こうならないためにも顧客の声は何百回でも繰り返しきき、解像度を上げる努力をしてくべきだと思います。
月並みなペルソナ
調査・分析が表面的で従来の視点が超えられていない
疑わしいペルソナ
ぺうr疎なの元になるデータや作成プロセスがブラックボックスで不明翔
ピンボケのペルソナ
基本属性やライフスタイルが先行してゴールが曖昧になってしまっている
ペルソナ(persona)ができたら、エンパシーマップ(EmpathyMap:共感マップ)も合わせて作成しましょう。エンパシーマップの作り方は以下の記事よりどうぞ。
コメント
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