新規事業や新規サービスのネーミングのコツやポイント

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新規サービスや新規事業のネーミングのコツやポイントを解説 アイデア創出と検証
新規サービスや新規事業のネーミングのコツやポイントを解説
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駆け出しプロデューサー
駆け出しプロデューサー

事業企画を考えているのですが、自身の事業企画を「●●●●のためのサービス」のように呼んでいるのですが、そろそろ名前を付けようかなと思っています。いざ考えてみると中々良い名前が浮かばないんです。コツがあれば教えて下さい。

BizDevPro
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思いつきなどでネーミングをする方もいらっしゃいますが、新規事業や新規サービスのネーミングは非常に重要です。今後のマーケティング施策なども鑑みて検討するのが良いと思いますので今回はネーミングのコツやポイントを解説しようと思います。

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新規事業開発におけるネーミングとは ネーミングの持つ機能

横井惠子さんの書籍を読ませていただきましたが、非常に参考になりましたので、まずはネーミングの持つ機能(ネーミングの持つ意味や意義)について紹介をしたいと思います。

以下の4つの機能について解説をします。

  • 他との識別機能
  • 内容の伝達機能
  • イメージ訴求機能
  • アイデンティティ構築機能

他との識別機能

ネーミングにおいて必須の機能といえます。新規事業や新規サービスの名前は商標として保護されますが、それは他のサービスと識別できるようにするためです。ネーミングは他のサービスと差別化するための機能を持ちます。

内容の伝達機能

自身の事業やサービスの内容や魅力的なポイントが一つの言葉に凝縮され、表現されているネーミングこそ理想のネーミングといえます。
事業やサービスの特徴やコンセプトなどの情報がネーミングからぱっと見で伝えられる事が重要です。
この点がしっかりと働いていると広告としての役割も果たしてくれます。

イメージ訴求機能

ネーミングからイメージを連想させる、呼びやすいネーミングにする事でその音感で親しみを持たせるという点も大事な要素です。

アイデンティティ構築機能

その企業らしさや企業イメージを伝えるという点も大事な要素です。例えばパナソニックのブランドや事業は接頭語として「パナ」がついていたり、ゼロックスはサービス名の接頭語に「Docu」がついていたりと企業が戦略的にブランディングする際にはこの機能を強く意識する事になります。

良いネーミングの条件

良いネーミングには特徴があります。以下の特徴を兼ね備えたネーミングが良いネーミングといえます。

良いネーミングの特徴説明
機能性ネーミングを見たただけで、サービスの内容やコンセプトがスッと理解できるのは非常に良いネーミングといえます。受け止める側にとってここの腹落ち感が強いと覚えてもらえるだけでなく、クチコミによってそれが伝達される事も期待されます。
耐久性創出する事業やサービスは時限的なものではなく、その後も長い間に渡り事業やサービスと付き合っていく事になると思います。流行に乗りすぎず、陳腐化しないネーミングが大事です。
国際性国内でのみ事業展開やサービス展開するのであればそれほど気にする必要はないかもしれませんが、事業やサービスを海外展開する際は外国人の目から見ても理解が得られやすいネーミングである事が大事です。特にせっかく名付けたネーミングが海外の言葉ではネガティブな言葉やスラングとなっている事もあるので考慮が必要です。
個性一見読みにくかったり、あえてネガティブな意味を持つ言葉をネーミングに使用する場合もあります。これはネーミング自体に強烈な個性を持たせる際に重視されますが、非常に高度なテクニックであると思います。

新規事業開発におけるネーミングのプロセス

ネーミングが決定するまでのプロセスは以下の通りの流れとなります。 横井惠子さんの提唱するプロセスを簡素化してまとめました。
ネーミングに関するチェック項目を並べたチェックリストもありますので活用下さい。

新規事業開発におけるネーミングのプロセス
  • ネーミングのための基礎作り
    オリエンテーション、事業やサービスの特徴の分析

    まずは事業やサービスをしっかり理解するところから始めますが、本記事は読まれている方自身の事業やサービスに対して自身でネーミングする事を想定しています。従って、この部分については既にクリアになっているかと思います。
    ネーミングを外部委託したり他部署と役割分担する際はこの導入部分はしっかりやっておく必要があります。以降の作業のアウトプットに大きく影響すると思います。

  • 市場環境・競合ネームの調査、分析

    事業やサービスを展開する市場の中でどのようなポジショニングを採用するかを明確にします。新しく作るネーミングは既存の競合事業や競合サービスと類似しない事や、ただの亜流として見られないようにする必要があります。

  • ネーミングの方向性やコンセプトの設定

    事業やサービスを創出するためのアイデアなどにも共通して言える事がですが、ネーミングが主観に偏りすぎず、サービスの受益者や消費者を始めとする受け手側の視点を取り入れる事が大事です。受け手側のベネフィットやイメージを鑑みた事業やサービスの強みをコンセプトに反映しましょう

  • ネーミングの発案
    キーワードの抽出

    上記で定めたコンセプトに従い、自身の事業やサービスが訴求したいキーワードを定めます。今後のネーミング作業のベースになるキーワードとなりますので慎重に選ぶ必要がありますが、いくつか候補を定めておくと後での作業がしやすいと思います。

  • ラベル
    多言語への置き換えやシンボル系ワードの洗い出し

    上記で洗い出したキーワードから派生する同義語や多言語(英語、ギリシャ語、エスペラント、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語などから探すことが多い)や、ローマ神話や北欧神話などの神々の名前などから自由な発想で関連するキーワードを洗い出します。

  • ラベル
    ネーミング(造語)作業

    造語については後述する「新規事業や新規サービスのためのネーミングの発想法」で解説致します。

  • ネーミングの評価
    ネーミング案の評価

    以下をチェックリストとして作成したネーミング案をチェックします。
    以下のチェックリストは覚えておくと何かと重宝すると思います

    • 事業やサービスのコンセプトを的確に反映しているか(その事業やサービスの機能や特性をよく表しているか
    • 他の事業やサービスとの差別化がなされているか(話題を集める力があるか、独自性やインパクトがあるか)
    • 音感はいいか、言いやすいか、聞き取りやすいか
    • 受け手にとってわかりやすいか、覚えてもらいやすいか
    • 一過性で終わる事なく、長年の使用に耐えられるか
    • 悪い意味はないか、悪い言葉や事柄をイメージする事はないか(日本では大丈夫でも海外で同じような言葉や発音でネガティブな意味になる言葉もあるので注意)
  • ラベル
    商標登録・ネガティブチェック

    商標は商標法という法律で守られています。当然他の事業やサービスで同じネーミングが申請されていれば登録する事はできませんので、法務部や弁理士に依頼してチェックする必要があります。まったく同一のネーミングでなくても、見た目が似ていたり(外見類似)、発音したときの音が似ていたり(称呼類似)、意味や内容が似ていたり(観念類似)すると登録できない事もありますので、大きな手戻りにならないように、必ずチェックするようにしましょう。

    ネガティブチェックは第三者の目を入れてチェックする事が大事だと思います。どうしても自分のネーミングには愛着を持ってしまいがちですので第三者の視点でのチェックがよいでしょう。外国でネガティブになるリスクについてはチェックが難しいですが、ネットで検索してみたり、ネイティブの外国人に協力をお願いしたりする事でリスクヘッジができると思います。

  • ラベル
    候補案の絞り込み
  • ラベル
    ネーミング決定

新規事業や新規サービスのためのネーミングの発想法

「ネーミング(造語)作業」については、センスのある人は次から次へとアイデアが出てくるかもしれませんが、誰でもできるものではありません。(私も苦手です。)

当記事では7つのネーミング発想法をご紹介します。この発想法を覚えておくだけでもネーミングの素人でもいくつかのネーミングの候補案を捻りだせるのではないかなと思います。

7つのネーミング発想法は以下の7つになります。

  • 組み合わせ方式
  • 接合方式
  • 混成方式
  • 切り取り方式
  • 接頭語方式
  • 接尾語方式
  • 頭文字方式

組み合わせ方式

2語をそのまま組み合わせるやり方です。利点としては意味するところが伝わりやすいネーミングとなるところです。身の回りのなじみ深い商品名などに採用されている事も多く、意味が理解しやすいです。例えば日焼け用クリームの「COPPERTONE=copper(銅)+tone(色合い)」や中華調味料の「COOKDO=cook(料理する)+do(行う)」などが有名です。

接合方式

2語を共通文字で接合するやり方です。利点としては新しい響きが得られ、独自性のあるネーミングとなるところです。一つの言葉としてまとまりが出やすいですし、音感的にも新しいイメージになりますし、意味も連想しやすいです。例えば、タイヤのエクセリードはローマ字のlで繋ぐことで「excel(卓越する)+lead(導く)=EXCELEAD」という造語を導いていたり、風邪薬のヴェポラップはローマ字のrで繋ぐことで「vapor(蒸気)+rub(マッサージ)=VAPORUB」という造語を導いています。いずれも2つの単語から新たな単語を誕生させています。

混成方式

2語の一部ずつを繋げるやり方です。接合方式にも似ていますが、利点としては、商標登録できるネーミングが作りやすいというところです。簡潔で新鮮な語感を持ったネーミングがしやすいですが、あまり削りすぎると元の単語の意味が損なわれてしまいますので注意が必要です。栄養ドリンクのリポビタンは「lipoclasis(脂肪分解)+vitamin(ビタミン)」のそれぞれ一部ずつを切り取り繋げた造語です。

切り取り方式

1語の一部分を切り取るやり方です。利点としては、最も簡単であるところです。元になる一語から何文字か切り取り新しい言葉を作ります。元の言葉以上に意味やイメージを持たせる事は難しいですが、シャープなネーミングができます。例えば、ファッションブランドのインディヴィ(INDIVI)は「individual(個人の)」の一部を切り取ったものです。

接頭語方式

1語に接頭語を付けるやり方です。利点としては使いたいキーワードを最大限に活かしたネーミングができるというところです。接頭語をつけるだけで新しい言葉になる場合がありますので元のキーワードを強烈に使いたく派生語を作るような場合に重宝します。例えばマーガリンのネオソフトは「接頭語neo(新しい)+soft(やわらかい)」を組み合わせた造語です。
代表的な接頭語は以下の通りです。

接頭語意味
astro-星の、天の
auto-自ら
bi-2つの
co-共に
de-分離、否定、逆転
en-~にする
extra-範囲外の、格別の
fore-前方の、前もって
inter-~の間の
mega-並外れて大きい
mid-中の
mono-単一の
multi-多くの
non-~でない
poly-多くの
post-後の、後で
pre-あらかじめ、前に
re-再び
semi-半分の、やや~
sub-下の、副
sym-, syn-共に、同時に
tele-遠くの、遠距離の
trans-越えて、横切って
uni-一つの、単一の
ネーミングで使える接頭語のリスト

接尾語方式

1語に接尾語を付けるやり方です。接頭語同様に、 利点としては使いたいキーワードを最大限に活かしたネーミングができるというところです。 やり方は前か後かの違いで接頭語の場合と同様ですが、接頭語と接尾語で意味合いが変わってしまう言葉もあるので注意が必要です。「oid」というのは「~もどき、~状」という意味ですので、化学系の薬品などに使われる事が多いです。

接尾語意味
-able~できる
-age集合、状態、場所
-ary場所
-dom~界、~社会
-er~する人、~の住人
-et,-ette小さいもの
-ful~いっぱいの
-ism主義、態度
-ist~の人
-ize~化する
-less~のない
-let小さいもの
-logy論、学問
-man~の人
-ment動作、状態
-ness性質、状態
-ous~の多い
-ship地位、状態
-trix~する女性
-ty~な性質
-um場所
-ward方向
-wide~全体の
-wise様式、地位
ネーミングで使える接尾語のリスト

頭文字方式

複数の単語の頭文字を繋げるやり方です。利点としては表現したい理念やメッセージがネーミングに凝縮できるところです。この方式は政府や国際組織、公共性の強い団体名や愛称に使われることが多いです。読み手は一見して解釈が難しいので個別の事業やサービスにはあまりおすすめできません。ITの業界ではこうしたネーミングが多く見られた時代もありましたね。

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