新規事業開発におけるプロジェクトマネジメントの重要性

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新規事業開発におけるプロジェクトマネジメントの重要性 プロジェクトマネジメント
新規事業開発におけるプロジェクトマネジメントの重要性
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駆け出しプロデューサー
駆け出しプロデューサー

新規事業開発って先も見通しにくいですし、変化も大きいので臨機応変な対応力が必要な仕事なんですかね。

他にに新規事業開発の実現性を上げられるような学んでおいた方がよいテクニックなどありますか?

BizDevPro
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新規事業開発はおっしゃる通り、先は見通しにくかったり、計画の変更(ピボット)が伴いやすい業務だと思いますが、プロジェクトマネジメントスキルが非常に重要であると思います。

多くのプロジェクトマネジメントの書籍などは既存事業のケーススタディを想定していますし、新規事業開発の書籍は事業創出の段取りや手順を解説しているものが多いですが、プロジェクトマネジメントを解説しているものは少ないです。

新規事業開発の初期から、事業創出後の後期に渡るまでプロジェクトマネジメントスキルの有無が成功確率を左右すると思いますので、ぜひプロジェクトマネジメントについて学んでいきましょう。

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プロジェクトマネジメントの知識エリア

プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたものに、PMBOK(Project Management Body of Knowledge:ピンボックと読む)というものがあります。

PMBOKではプロジェクトマネジメントを実施する際に求められる知識を、「10の知識エリア」として定義しています。プロジェクトマネジメントで必要な要素の概観をまずは押さえましょう。

統合マネジメント

プロジェクト全体の進行を管理する中心的な分野。他の9つの分野のプロセスや活動をまとめ、調整するために必要なプロセスと活動を定義

スコープマネジメント

最終的に生み出すモノやサービスなどの成果物と、必要な作業と範囲を明確にするプロセスと活動を定義

プロジェクトのゴールやゴールに向かう道筋、段取りをWBSとして落とし、管理をする事が大切です。これがないと対応が場当たり的になってしまいます。段取りはものすごく大切です

スケジュールマネジメント

所定の期間内にプロジェクトを完了させるために必要な、スケジュールの管理や調整などのプロセスや活動を定義

ローンチから逆算した大日程や中日程、上記にも出てきましたが小日程のWBSでの管理あたりが該当します。マイルストーンやクライテリアを明確に示す事でメンバ間の作業の期日感や依頼時の締め切りなども明確に示せます。

コストマネジメント

所定の予算内にプロジェクトを完了させるために必要な、予算の見積もり、管理や調整などのプロセスと活動を定義

当然お金は有限ですので、スタートアップの場合、自身で用意した資金や外部から調達した資金を適切に管理する際に役立ちます。

品質管理

プロジェクトで生み出すモノやサービスなどの成果物の品質と、作業自体の品質を管理するためのプロセスと活動を定義

ここがスタートアップだと軽視されやすいポイントかと思います。優れたUIやUXを備えたサービスを創出するというところに力点は置かれている事が多いですが、創出したサービスが外部からの攻撃に耐えうる強固なセキュリティを備えるための品質管理や、センシティブなデータを管理するための適切なガイドラインやレギュレーション準拠の仕組みを備える事は膨大な時間とリソースがかかりますし、スタートアップではこの体制を築く事が難しい事が多く、また品質管理の考え方はSIerなどでは大企業の基幹システムなどを担当する事が多いため当たり前のように標準的な仕組みがありますが、スタートアップではこの品質管理の考え方やレベル感の価値観にギャップがある事が多いです。

資源管理

プロジェクトに必要な資源を決め、その資源を最大限活用できるよう働きかけ、活用できているか見張るためのプロセスと活動を定義

プロジェクトに必要な資源はコスト管理にあったようなお金だけではありません。サービスや事業を創出するまでに主眼が置かれがちですが、創出後の事業化フェーズになった際の運用や保守の体制なども調達が必要です。

コミュニケーション管理

ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑に進めるために、必要な情報収集、用意、保管、配布などのプロセスと活動を定義

資金調達時はVCや大企業といった資金調達先のステークホルダー、サービス開発時は外注先や協業先のステークホルダー、ローンチ後はサービスの受益者などなど、プロジェクトを通じて接点を持つステークホルダーは多く、それらとの適切なコミュニケーションのマネジメントがあたります。

リスク管理

プロジェクトに関するリスクに備え、チャンスを活かすために必要な、リスクの特定、分析、対応、管理や調整などのプロセスと活動を定義

プロジェクトの推進において計画時の想定通りにプロジェクトが進む事は皆無といってもよいと思います。

プロジェクトの品質やスケジュール、コストを揺るがすリスクをいかに早期に察知し、対策を打つことができるかが重要です。

調達管理

作業を実行するために必要なサービスやモノを外部から取得・購入あるいは委託、管理するためのプロセスと活動を定義

サービスや事業を開発する際、自社だけで完結できる事は少ないと思います。何らかの外部との委受託が発生する事でしょう。自社では完璧にマネジメントしていたとしても、外注先で思いがけないトラブルが発生し巻き込まれるという事は多くあります

大企業であれば調達管理部署によって一定の基準で外注先の管理などをしていますが、スタートアップの場合は事業への共感や個人の繋がりなどで事業をしている事も多いため、しっかり基準を設けて仕事を任せる事が重要です。

ステークホルダー管理

プロジェクトを確実に進めるために必要なプロジェクト関係者の特定、関係者からの影響の分析、対応、管理、調整などのプロセスと活動を定義

新規事業開発プロジェクトの立ち上げ時のプロセス

上記に簡単にポイントを記載しましたが、プロジェクトマネジメントの奥は深く、各項目で1冊の本が書けてしまうほどですので、具体的な手法やポイント、ノウハウなどは別の記事で解説していきたいと思います。

以下にはプロジェクトを立ち上げる際の大まかな手順について解説を致します。

とにかく、プロジェクトを成功裡に完遂するためには段取りが大切です。以下のプロセスに沿って段取りの大まかな方向性を決めて進めていくとよいでしょう。

タイムラインのタイトル
  • 立ち上げ時
    プロジェクト計画書の作成

    プロジェクトを立ち上げる際にはその目的や投資効果、どうしたら成功といえるのかの成功基準、ステークホルダーの期待値、スケジュール、見積もり、体制などが大まかに決まっているかと思います。

    プロジェクトは一人でやるものでもありませんので、これらを1冊のプロジェクト計画書としてまとめ、メンバやステークホルダー間で共有できるようにします。この共有の場をキックオフと呼ぶ事が多いです。

  • ラベル
    WBS作成

    大日程、中日程に従いタスクを洗い出します。単にタスクを洗い出すだけでなく、そのタスクに必要なスキル(要求リソース)を洗い出し、人を割り当てます。当初作成した見積もりと、上記で人を割り当てた結果の人の山積みが整合しているかを見る事が大切です。

    タスク、人、工数が見える状態になると負荷の状態やプロジェクトの最遅経路(クリティカルパス)が見える状態になりますので、状況に応じて調整をします。場合によってはこのタイミングでヒト・モノ・カネの不足分を外部調達などをする事になります。

  • ラベル
    リスクを洗い出す

    前述の通り、プロジェクトのリスクを可能な限り洗い出し、対策を講じる事は極めて重要です。

    メンバ全員でプロジェクトのリスクを洗い出し、リスクの発生確率と発生時の影響度で定性的にリスク分析し、優先度を設定します。(以下のような感じ)

    • 顕在化確率:高 発生時影響:高 優先度:A
    • 顕在化確率:中 発生時影響:高 優先度:B
    • 顕在化確率:高 発生時影響:中 優先度:B
    • 顕在化確率:中 発生時影響:中 優先度:B
    • 上記以外 優先度:C

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