イノベーション、イノベーションってよく聞きますが、なんでこんなにもイノベーションが叫ばれるようになっているのですか?
イノベーションって昔にはなかった概念なのでしょうか?
事業企画や新規事業を担当する上でイノベーションという言葉は常について回りますので、その本質は理解しておいた方がよいですね。
なぜイノベーションが必要なのか、そもそもイノベーションの定義はどのようなものかについて学びましょう。
イノベーションとは何か なぜイノベーションが必要なのか?
ジョセフ・パインという方がTEDで「体験経済」という考え方を語っています。
https://www.ted.com/talks/joseph_pine_what_consumers_want/transcript?language=ja&share=1d5ffd061d
経済の構造の変化を説いているのですが、商品がコモディティ化する中で、商品をカスタマイズする事でサービス化し、脱コモディティ化を図ったものの、サービス自体もコモディティ化し、経済は新しいレベルの経済価値に移行していると説明されています。ここで重要になるのが「体験」です。世の中は「体験経済」に移行しているとジョセフ・パインは説明しています。
このように消費者が求めるものが機能的なものから感情的なものへと根本的に変化しており、こうしたこれまでのやり方からの変化や進化のスピードも相まってイノベーションの必要性が盛んに叫ばれるようになっているのだと思います。またCX(カスタマーエクスペリエンス)に代表されるように、体験に着目し、カスタマーエクスペリエンス戦略でイノベーションを起こそうという動きもこうした背景から注目されているわけです。
イノベーションとは何か イノベーションの定義
イノベーションとは、2011年にオーストラリア出身の経済学者、シュンペーターによって、著書「経済発展の理論」で初めて定義されました。
Wikipediaによると定義は以下の通りです。
イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すという意味に誤認されることが多いが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。
Wikipedia
シュンペーターはイノベーションを以下の5つに分類している。
- 新しい生産物の創出 = プロダクト・イノベーション
- 新しい生産方式の導入 = プロセス・イノベーション
- 新し市場の開拓 = マーケット・イノベーション
- 新しい資源の獲得 = サプライチェーン・イノベーション
- 新しい組織の実現 = 組織イノベーション
イノベーションとは何か イノベーション論の変遷
色々と調べていたら国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がよい資料を公開していました。
イノベーションの重要性と変遷
https://www.nedo.go.jp/content/100918469.pdf
以下は上記資料からの引用です。
イノベーションとは何か イノベーションの道のり
イノベーションというと新しい発見や発明を考えがちですが、ドラッカーはこうしたものは非常にリスクが高いものであると考えました。ドラッカーのイノベーションに対する考え方は要約すると以下の通りです。
- イノベーションとは、新しい満足を生み出すもの
- イノベーションとは、人的・物的・社会的資源に対し、より大きな富を生み出す能力(価値)をもたらすこと
- イノベーションとは、発明のことではない
- イノベーションとは、技術革新のみを指すのではない
イノベーションの道のり
価値を訴求し、収益化を経て、事業をスケールさせていくプロセスは、よく0→1(ゼロイチ)、1→10(イチジュウ)、10→100(ジュウヒャク)なんて言ったりします。
事業企画や新規事業というと、0→1(ゼロイチ)に近いインキュベーション(=孵化という意味)のみにフォーカスする方もいらっしゃいますが、1→10(イチジュウ)、10→100(ジュウヒャク)とスケールさせるフェーズは企業の中で事業化する上で非常に大切なフェーズです。
100にするところまでを見据えた事業企画をする事がポイントですね。
イノベーション=新結合と唱えた人々
イノベーションとは、これまで組み合わせたことのない要素を組み合わせる事によって新たな価値を創造するという「新結合」ととらえる事ができます。
この主張をした人は以下の方々が挙げられます。
- イノベーションの父 ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター
1912年の著書「経済発展の理論」の中で「新結合」という言葉を使い、イノベーションの概念を提唱しました。 - イノベーションのジレンマ クレイトン・クリステンセン
ハーバード・ビジネス・スクールの教授で、イノベーションのジレンマで有名な方です。
シュンペーターの「新結合」の概念を引き継ぎ、イノベーションを一見関係のないものを結び付ける思考と定義しました。 - Apple創業者 スティーブ・ジョブズ
想像力とは、いろいろなものをつなぐ力である。一見すると関係のないように見える様々な分野の疑問や課題、アイデアやひらめきを上手につなぎ合わせる力だと表現しています。
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